保育園あそびからの帰宅後、私は精神的な疲れでぼんやりしていた。
コタと下の子と3人で、2階で洗濯物を畳んでいる時、
私はうっかり部屋のドアを閉め忘れていた。
ドアの向こうの廊下の先は階段。
ぼーっと畳んでいると、
廊下から「おさえてるよー」とコタの声がした。
見に行くと、
階段の一番上で、ハイハイの状態で今にも落ちそうな下の子を、コタが両手で押さえていた。
私は全身の神経が凍るのを感じ、すぐに下の子の体を押さえた。
コタは「妹ちゃん、おちちゃうよー」と私に言った。
私は震える手でしばらく下の子を押さえていたが、息を整え、抱っこをし、安全な所へ移動させた。
「落ちないように押さえててくれたの?ありがとう、コタ、ありがとう」
私はまだ震える両手でコタを抱きしめた。
強く抱きしめすぎたのか、コタは嫌そうに私から逃れようとした。
その後、コタは「コタちゃんにもやってー」と、
先ほどの下の子の真似をしてハイハイして階段に向かい、私がそれを押さえる、という遊びを何回かやった。
コタは、
「おかあちゃん、あぶないからね?」「きをつけてね?」と私に言った。
私が真面目に、「はい、きをつけます」と言うと、
コタは「えへへー」と笑った。
コタが押さえてくれなかったら、下の子は落ちていただろう。
きっと、大変なことになっていた。
下の子の命を危険にさらしてしまった。
これを書いている今も、思い出すと背筋が凍る。
階段から落ちていく下の子を想像してしまう。
怖い。
怖い。
怖い。
コタが居てくれてよかった。
本当によかった。
コタが一番しっかりしている。
私は母親なのに。
2人の母親なのに。
大馬鹿だ。