第2回トイレトレーニング物語・3話「お兄ちゃんパンツ大作戦」

2021-01-27

今日は外出をしないし、

家での予定も無く、

一日ゆるやかに過ごせそうだったので、

コタに初めてお兄ちゃんパンツで日中を過ごしてもらうことにした。

 

 

漏らしてもらって、濡れた時の気持ち悪さを体験してもらう作戦である。

 

 

コタがどういう反応をするか見たかったし、

現状が何かわずかにでも変わってくれればと思っていた。

 

 

 

9:30 

 

起床後初のオムツ替えタイム。

いつものようにおまるに誘った。

コタは気乗りしない様子だった。

しかしちょうどその時、下の子がおまるに座ろうとこちらへ来たので、コタは慌てて座った。

 

こういう、ライバルに対抗する時のコタは、可愛いなあ。

 

コタは、おまるに座った直後に「でなかったね」と笑顔で言った。

出す気はなさそうだ。

それに実際出なそうだったので、今回のおまるはすぐに終了した。

 

そのまま私は、「コタ、あんぱんまんのお兄ちゃんパンツを穿いてみようか。この間買ったの。もうキツくないよ」と誘ってみた。

コタは2枚のうちから1枚を選んだ。

自発的に選んだと言うより、私に促されたから選んだという感じだった。

 

私がお兄ちゃんパンツを穿いたコタを「すごいね!コタ、お兄ちゃんだね!」と褒めると、

コタは照れたように首をかしげて笑った。

 

 

この後は定期的にトイレに誘って行く。

さあ、どうなることやら。

 

 

 

10:20

 

おやつの後。

トイレの間隔が分からなかった為少し早めの30分後にセットしておいたタイマーが鳴った。

早速、コタをトイレへと誘った。

「ピピピって鳴ったら、トイレだよ」と予め伝えていたので、コタはすんなりとおまるに座った。

しかしフタも取らず、ズボンも下ろさずに座ったので、私が手伝って正しく座らせた。

 

コタはうさぎのタイマーで遊びながら、おまるに座っていた。

 

5分程経った時、

私は「もう終わりにしようか。無理しなくていいからね」とコタに言った。

コタは、「みにみにちょこ、みながら、する」と継続を希望した。

私は昨日買ったあんぱんまんのミニミニチョコレートの箱をコタに渡した。

コタは更に「ころころびすけっちょも、もつ」と言った。

私は、あんぱんまんコロコロビスケッチョの袋も渡した。

コタは、タイマーをピッピといじりつつ、それらのお菓子を太ももの上に乗せておまるに座っていた。

 

私はコタにプレッシャーを与えないように、少し離れ、コタを見ないようにしていた。

 

しばらくしてコタは「でないみたい」と言った。

 

2回目のトイレタイム、終了。 

 

 

コタと相談の末、次のトイレタイムも30分後と決めた。

一緒にタイマーをセットし、コタがスタートボタンを押した。

 

 

 

11:00

 

タイマーが鳴る直前。

コタが「おむつ、かえる」と言った。

おしっこが出てしまったらしい。

おしっこで汚れてオムツ替えを要求されたのは、初めてのことだった。

 

私はまず、「おしっこ出たの教えてくれてありがとう。えらいね」と褒めた。

そして、「おしっこで濡れて、気持ちが悪いね」と言ったら、

コタは「きもちわるいの」と答えた。

やっぱり紙オムツと違って、濡れたら不快なんだな。

 

「次もお兄ちゃんパンツ穿く?」と聞くと、コタは「うん」と言った。

2枚目を穿かせ、「次はおしっこが出る前に、お母ちゃんに『おしっこ出るよ』と教えてくれたら嬉しいな」とコタに言った。

コタは「わかった」と言った。

 

その直後、コタが「おしっこ、でる」と言ったので、おまるに座らせた。

でも今出たばかりなので、出なかった。

出なかったけれど、私は「出るって教えてくれてありがとう」と褒めた。

 

 

次のタイマーは、1時間後にセットした。

 

 

2枚目のお兄ちゃんパンツも嫌がらずに穿いているし、

今のところ、コタの負担にはなっていない様子。

良い調子だぞ。

 

 

 

12:00

 

タイマーが鳴る。

パンツも濡れていない。

おまるに座ったが、出ず。

次も1時間後にタイマーをセット。

 

 

 

13:00

 

タイマーが鳴ったのでトイレに誘ったら、すでにおしっこをしていた。

ありゃりゃ。

今回はパンツが濡れたのを教えてくれなかった。

 

 

 

 

タイマーが鳴るまでの間に、おしっこが出そうか何回か聞けばよかったかな。

 

 

 

 

 

それとも、

 

 

コタはおしっこが出そうな感覚がまだ分からないのかな。

 

 

 

 

 

さっきも、出た直後に「出る」と言っていたし。

 

 

 

 

 

もしかしたら、コタは排尿に関して感覚鈍麻なのではないだろうか…?

 

 

 

 

 

おしっこでパンツが濡れることが気持ち悪いと言う感覚も鈍いのかもしれない。

 

 

 

 

 

そう考えながら、私は思わずため息をついてしまった。

コタはそれに気が付いて泣き出した。

 

しまった。

顔に出やすい私。

 

 

もしかしたら、コタ自身にも「うまくできなかった」と言う思いがあったのかもしれない。

 

 

私は急いでコタを抱きしめ、「お兄ちゃんパンツで頑張って過ごしたね。頑張ったね」といっぱい褒めた。

コタは抱っこで私にぎゅーっとしがみついた。

珍しく力が強かった。

私はコタの背中をさすりながら、「大丈夫だよ。上手だったよ。頑張ったよ」と言い続けた。

 

コタは、割とすぐに落ち着いた。

 

それから、

コタがお兄ちゃんパンツを嫌いにならないように、『初・お兄ちゃんパンツを穿いて過ごしたご褒美』として、コアラのマーチをその場でひとつあげた。

コタはおまるの横で正座をして、大事そうにぽそぽそと食べた。

 

コタに「ととが帰ってきたら、『今日、お兄ちゃんパンツで過ごしたんだよ』って教えてあげようよ」と言うと、

コタは「とと、よろこぶかなあ」と聞いた。

「もちろん、喜ぶと思うよ」と言ったら、コタは嬉しそうに笑った。

 

 

 

 

本日のお兄ちゃんパンツ大作戦はここまで。

 

 

 

 

 

うーん。

 

おしっこが出るのが分からなかったり、

出たのを教えてくれないと言うことは、

 

まだトイトレの時期ではないと言うことなのかな。

 

 

 

 

またしばらくは、朝1回のおまるだけにしよう。

 

それも嫌がったらやらない。 

 

 

 

 

 

その後、

 

 

コタは、「おにいちゃんぱんつ、ぬれちゃったの」と、1回だけポツリと言っていた。

 

 

 

 

 

今回のことが、コタの記憶の中に苦いものとして残りませんように。