私が疲れて真顔の時や、コタに何か注意をした時、
コタは私が怒ってないか不安になり、
「おかあちゃん、おこってない?おかあちゃん、わらって」と言う。
コタには申し訳ないのだが、
本当に疲れている時や気持ちが沈んでいる時、
私は嘘でも笑えない。
その「笑うこと」は、私の心にとんでもない負荷がかかる。
だから、「怒ってはいないけど、面白くはないから笑わないよ」と言う。
コタは、「わらってっていってるのに、なんで、わらってくれないの?」と泣き出す。
私は、
「笑う笑わないは私の自由だよ。
人から強制されるものではないの。
楽しかったら笑う」と言う。
しかしもちろん、そんなのコタには分からない。
「おかあちゃん、わらってよ!」とコタは言い続ける。
そうなると私もだんだんイライラしてきて、コタは更に泣き出す―
という、悪循環になる。
先程も、私が買い物に疲れて真顔だった時、
「おかあちゃん、おこってない?わらって」と言われた。
私は、
「笑いたい気分じゃないから笑わないけど、お母ちゃんはコタのこと大好きだよ」
と言ってみた。
コタはちょっと考えて、
「だいすきなの?」と聞いた。
私「だーい好きだよ」
コタ「おかあちゃん、コタがいいこだから、だーいすきなの?」
私「そうだよ」
コタ「コタが、やくそくまもゆから、だーいすきなの?」
私「だーい好きだよ。何もしなくても、いつもだーい好きだよ」
コタ「いつもだーいすきなの?」
私「そうだよ。お母ちゃんは笑っていなくても、コタのことだーい好きなんだよ」
こんなやりとりをしていたら、なんだか本当に楽しくなってきて、
気がついたら私は笑顔になっていた。
コタも笑顔になっていた。