先ほど、久しぶりにコタをトイレに誘った。
コタも乗り気で、
踏み台から便器にまたがろうとした時、
コタの足がウォシュレットのボタンを押してしまったらしく、
コタが便器に座った瞬間、
コタのお尻めがけて水が噴き出した。
私は慌てて停止ボタンを押し、
コタを見ると、
コタは茫然としていた。
コタの目に涙がみるみる溢れてきたので、
これ以上トイレが怖くなってはいけないと思い、
「あらら、トイレさんがおしっこしちゃった。トイレさん、まちがえちゃったみたいね」と、私は努めて何でもないことのように言った。
コタは便器にまたがったまま、
涙目で「おみずでたの、なに?」と弱々しい声で私に聞いた。
私は穏やかに、「トイレさん、まちがえちゃったの。トイレさん、コタがびっくりしちゃうよ」とトイレに言い、「どうする?1回降りようか」とコタに聞いた。
コタは「おりる」と言い、私はコタを抱っこで降ろして、濡れたお尻を拭いた。
コタはびっくりはしていたが、泣き出すことは無かった。
なので、「トイレさんが仲直りしたいって。もう一度座ってみる?」と一応コタに聞いてみた。
コタは「ううん」と即答した。
ま、そりゃそうだよね。
ウォシュレットの洗礼は、ショック大きいよね。
ごめんね、余計なこと聞いて。
さっさとこの場を退散すべきだ。
コタはふるちんのまま、居間に戻った。
私はなるべく余計なことを話さず、
時々、「トイレさん、困っちゃうよねー、あわてんぼうだねー」など、
『トイレさんはおっちょこちょいのカワイイやつ』という急きょ作ったキャラクター設定に忠実に沿った声かけを行いながら、コタにオムツを履かせた。
その後、
私がトイレに行く時に、さりげなく「コタも行くー?」と聞いてみたら、
コタは、「うーん、コタはね、おむつかえるだけでいいや」と言った。
トイレが極端に怖くなった様子はないから、ひとまずは良かった。
でも、
あー!
失敗したあーー!