コタと夫がテレビの部屋にいて、私が台所にいる時、
突然、テレビの部屋からコタの「ぎゃーっ」という泣き声が聞こえた。
続いてなだめる夫の声。
その内容から、どうやらコタがテーブルの角に頭をぶつけたのだと分かった。
行こうかな、でも夫に任せて大丈夫そうかな、などと迷っているうちに、コタの泣き声が止んだ。
すぐにコタは台所へやって来て、
「コタね、どんってなってね、えーんって、ないたの。ここね、どんって、したの」と、
おでこを押さえ、真っ赤な顔で、口を尖がらせ、早口で私に事故の報告をしてきた。
目の少し上にコブがあったが、大丈夫そうだったため、
私は「赤くなっているね~。これは痛かったね~。よく泣き止んだね~」と、大げさに慰めた。
すると、コタは一瞬黙った後、「ぎゃーっ」と泣き出した。
しまった…。
テンション間違えた…。
コタはこういうことがよくある。
どういうことかと言うと、
「相手が、自分が思っている反応をしないと怒る」
のである。
もうこれ、めんどくさいの。
おそらく今は普通のテンションが正解だったのだろう。
私、芝居しすぎた。
しかし、同じような状況でオーバーリアクションじゃないとダメなときもある。
テンション間違いで癇癪を起したら、しばらく収まらない。
構え構えとせがむくせに、抱きしめたり言葉をかけると更に怒る。
なんじゃらほい。
君とは3年の付き合いがあるけど、まだ掴めないわ。