コタが生まれる前、
「きっと私、メロメロになって赤ちゃん言葉とか使うんだろうなー」と言う私に、
普段物静かな夫は「俺は変わらんで」と言った。
コタが生まれてから、
赤ちゃんが可愛くて、自然とテンションが高くなる時と、
そういう風にしないと、お尻を拭かせてくれない、服を着させてくれない、頭を洗わせてくれないから、テンションを高くして楽しませる必要があるということを知った。
そして95%は後者である。
私が0歳のコタの育児にへとへとになっている時、
夫は「そんなにテンション高いから疲れるんちゃう?」と私に言った。
1歳2歳になっても、強まる癇癪とあまのじゃくな性格と気持ちが乗らないとなかなか行動しないコタに、
私のテンションは常に高水準だった。
まさに24時間うたのおねえさん状態である。
コタが2歳半の時、
私が下の子を出産するために入院し、夫とコタが初めて2人きりの日々を過ごした。
私が退院し下の子を抱え帰宅すると、
夫は、
「はーいコタ!お着替えするよー!さあ、足が出るかな出るかな出るかなー?出たー!じゃあ、こっちの足は出るかな出るかな出るかな?おー!出た―!すごいぞコター!」
と、万年うたのおにいさんになっていた。
育児はローテンションでは乗り切れないし、
逆に言えばテンションを高くするからこそこなせるものであり、
すなわち必要に駆られてテンションが高くなっていくのである。
先ほどお風呂上りの下の子にオムツをはかせるのにハイテンションになっている夫を見て、この話を思い出したのだが、
夫は私に「そんなにテンション高いから疲れるんちゃう?」と言ったことは忘れていたようで、
バツが悪そうに「ごめん」と謝ってくれた。
実際に育児をしてみないと分からないことだし、
当時傷ついたわけでもないけれど、
謝ってくれてちょっと嬉しかった。