そして翌日。
私は社会福祉士さんと共に精神科へ行った。
最初にKさんの知り合いの担当看護師さんに事前カウンセリングを受け、その後診察室で先生の診察となった。
診察の結果、
私は『うつ状態』と診断された。
それに加えて、
『不安感』『希死念慮』があるとのこと。
そして、『1年間休養すること。現時点での就職は危険』とのことだった。
うつ状態と言うことについては、もしかしたら軽いそういう状態ではあるのかなー…、とは思っていた。
でも『1年間の休養』は驚いた。
先生は丁寧に説明してくれた。
「ぶたこさんはこの数年間、『やらないといけないこと』しかやっていない状態でした。
でも、人間の心は『やらないといけないこと』と『やりたいこと』のバランスで成り立っているんです。
『やりたいこと』とは『心地良いこと・落ち着いてリラックスしていること』も含まれます。
人間は『やりたいこと』をして、心と体のエネルギーを充電します。
そうして初めて、『やらないといけないこと』が出来るんです。
でも、ぶたこさんの今の心の電池は空っぽの状態です。
随分前からそうだったと思います。
その状態で『やらないといけないこと』をやり続けていたから、苦しくなってしまったんです。
ですから、エネルギーを充電する時間が必要なんです。
これには時間がかかります」
先生は診察室に社会福祉士さんを呼んだ。
そして先生は、「今ぶたこさんは保育園に下の子(1歳児)を『就業』するということで預けておられるが、『病気療養』のために預けるということに変更できないか」と社会福祉士さんに聞いた。
(※保育園の規則で、未満児を就業理由で預ける場合、入園から3ヵ月以内に就職する必要がある。無職のままだと3ヵ月以降(7月以降)は退園しなければならない)
先生は「家に赤ちゃんがずっといると療養が出来ないから、可能なら下の子を保育園に預けたままの方が良い」と言った。
社会福祉士さんは「1歳児さんは満員では無いのでおそらく出来ると思います」と答えた。
先生は、必要だったら診断書を書きます、と続けた。
私は、診察室のくるくる回る椅子に浅く腰掛けながら、先生と社会福祉士さんのやりとりをぼんやり眺めていた。
私ってそんなに深刻な状況なんだ、と思っていた。
全然実感が無かった。
確かに、「死にたい」と思うこと自体普通ではないのだろうけど、
別に夜眠れないとか、ご飯が食べられないとか、起き上がれないとかの不調は無く、日常生活はちゃんと送れている。
たまに「死んだら楽なのに」とぼんやり思うだけだ。
それに、カウンセリングに通うとしても仕事に行きながら通う予定だった。
そもそも、仕事を始めれば自分が明るく前向きに変われる(戻る)だろうと思っていた。
1年間の休養―
なんとか半年くらいで終わらせられないかな。
仕事しなきゃ家計が不安だし。
でも、治すならしっかり治さなきゃ意味がない。
でも1年間は長い…。
結局この日は薬を2種類出してもらい、また1週間後に再診ということで終わった。
自宅に帰って夫に「1年間仕事しちゃダメだって」と伝えると、
夫は「それがいい。そうしいや」と言った。
夫が理解してくれるのはありがたいのだけど、
本当に休んでいいのだろうか。
私はこれから1年間、
どうすればいいんだ…?
≪つづく≫
【最近の私】
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畑にいる時とブログを書いている時は気持ちが楽。