私は、コタが鼻くそを食べているのを見つけると、
「鼻くそを食べたら汚いよ」「食べたらお腹イタイイタイになるよ」と、毎度しつこく注意をしている。
今、
まさに鼻くそを食べようとしている瞬間のコタと目が合った。
コタは、私と目が合うと動きをピタッと止め、
口元からゆっくり指を離し、
「ちがうよ。コタねえ、はなくそのついたゆびを、なめてるだけだよ」と言った。
まさかそんな高度な言い訳が来るとは思わなかったので、
私はとっさにツッコむことも注意をすることも忘れ、
「そっか」と、優しく微笑むことしか出来なかった。