コタが目がかゆいと言うので、花粉症を疑い耳鼻科に連れて行った。
いつも風邪や予防接種の時にお世話になる町の小児科では、こんな感じでコミュニケーションを取ってコタの緊張を和らげてくれるのだが、
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今回の耳鼻科は医師も看護師も皆クール。
医師は不安気なコタの「ねえ、なにするの?」の問いかけにも一切答えず、親に症状を聞き淡々と診療を進めようとする。
看護師からも「大丈夫だよー」等の声かけはなく、彼らはコタが動かないように無言でコタの腕を強くつかんだ。
小児科は当然としても、今までコタが行った小児科以外のお医者さん(皮膚科や歯科)もコタに向けて優しい声かけをして気持ちを和ませてくれていたので、それに慣れているコタは冷たい診察室の雰囲気に恐怖心がますます膨れ上がる。
それでもコタは、目の前の医師と自分を押さえつける看護師に決死の覚悟で訴え続けた。
「ねえ、なにするの?」
「こわいよォ」
「いたいのするの?」
やはり何も答えない無表情の医師と看護師。
そしてコタの恐怖がピークに達し、
パニック寸前になったコタの、
という5歳児の絶叫が院内に響いた。