コタがデザートのバナナの皮をむいたら、
中身がぽきっと真っ二つ。
それだけで、
「おれちゃった~!おれちゃったあ~!!」
と癇癪が始まる。
折れても味は変わらないのに。
どーせ食べたら折れるのに。
そう思ってしまうが。
「つかない~!つかない~!!」と、折れたのを直そうとするコタに
「折れちゃったのは、もうくっつかないのよ。残念だったね」
と優しくなだめつつ、
さりげなく食べることを促したり、話を逸らしたり。
優しい声とは裏腹に、心の中はイライラ。
そんなことで泣くんじゃないよ。
さっさと食べてよ。
泣き喚くこと5分。
コタは、何事もなかったかのように嬉しそうにバナナを頬張りはじめた。
やれやれ。
やっと終わったか。
こういうのが一日に何回もある。
よく聞く、
「ママがにこにこしていることが大切」風な文言。
きっと、
この特性のある自閉症児を育てたことのない人が言っているんだろーな。
毎度毎度、笑顔でなんかいられない。
この言葉は、私を追い詰める。