5歳の終わりころ、「死ぬ」という言葉を覚えたコタ。
わざとくたっと倒れて、「見て、コタ、しんじゃったよ」などとふざけて言う。
私が「コタ、死んじゃったの?悲しいよー(;O;)」と言うと、「なんでかなしいの?」と不思議そうな顔。
ちょうどいい機会なので、『死』というものを説明した。
私が「ごはんいっぱい食べて、いっぱい遊んで、お勉強してお仕事してまたいっぱい遊んで、満足したら、死んで、お空のお星さまになってキラキラになるんだよ」と言うと、
コタは「よる、くらいのこわいから、おほしさまになりたくない」と言った。
続けて「ぼく、しぬのいやだ!」と言うので、
「コタはまだ死なないよ。まだ小さいし、これから美味しいものいっぱい食べて、いっぱい遊ぶ時間があるよ。コタよりもお母ちゃんが先に死んじゃうし。コタはまだまだ遊べるよ!」と言うと、
「まま、しんじゃうの?ままと会えないのいやだ…」と涙をぽろぽろ流し始めた。
私はしまったと思い、「お母ちゃんはまだ死なないよ。もっと遊んで、おばあちゃんになったらだよ」と慌てて補足した。
「おばあちゃんになったら、しんじゃうの?○○おばあちゃん(近所のおばあちゃんの名前)とか?しぬの?」
「えっとー…○○おばあちゃんは元気だからまだ死なないよ。おばあちゃんになって、もっともっとおばあちゃんになって、もっとずーっとおばあちゃんになったら、お星さまになるよ」
「ままもおほしさまになるの?」
「ずーっとずーっと先に、もしお母ちゃんがおばあちゃんのおばあちゃんのそのまたおばあちゃんになったら、かな。今じゃないよ。大丈夫だよ。それにお星さまになったら、お空からにこにこコタを見ているから、いつでも会えるよ」
何度そう説明しても、「ままに会えなくなる」「ままと遊べなくなる」とコタはしくしく泣き続けた。
「死」を伝えるのは難しい。
「ままに会えなくなる」「ままと遊べなくなる」って、子どもからしたら「悲しい」というより「恐怖」なんだなあ…。