コタと一緒にお風呂に入っていて、
全力で遊んでいたら私がのぼせてきたので、
「コタ、そろそろ出たいな。だってお母ちゃん、お手々しわしわになっちゃった。おばあちゃんになっちゃうよ」と、コタにふやけた指先を見せたら、
コタは、しばらく自分の小さな指先と私の指先とをじいいっと見比べて、
私の指のしわしわを自分の指先で何度がなでなでし、
「だいじょうぶよ。これで、おばあちゃんにならないよ。コタがおばあちゃんだよ」
と言った。
どうやら自分の指先と私の指先を交換したらしい。
コタは「これでだいじょうぶね」と諭すように私に言い、
私は「ありがとう」と言うしかなかった。
そして、
おばあちゃんになったコタと
若返った私のお風呂遊びは
数十分続いたのであった。