昨日、コタと下の子と私の3人で車に乗っていた時の出来事。
コタと下の子は、後部座席のチャイルドシートに並んで座っている。
運転席からバックミラー越しに後部座席を見ると、前向きに座っているコタの顔は見えるが、下の子は後ろ向きのチャイルドシートに座っているため、後頭部がわずかに見えるだけだった。
なので私は、時々「妹ちゃん寝てる?」などとコタに下の子の様子を聞いていた。
コタはその度に、下の子の顔を見て「ねてるー」「おきてるー」と教えてくれていた。
そんな中、下の子が泣き出した。
私は、バックミラー越しに、ちらっと見える下の子の後頭部に向かって、
「妹ちゃん、もうすぐ着くよー。頑張ってねー」などと声をかけた。
いつもドライブ中はすぐに泣き止むので、今回もこのまま声かけだけでやりすごそうとしていた。
するとコタが、
「妹ちゃん、びすこで、あそんでいいよ」と、
先ほどスーパーで自ら選んで買ってもらった大事なビスコの箱を、下の子に渡した。
ビスコの箱を手にした下の子は、ぴたりと泣きやみ、箱を振って遊び始めた。
おお…!
私は、驚きと共に感動した。
コタが、自分の大事なビスコの箱を下の子に差し出すなんて…!
自分の気に入ったおやつやおもちゃを人に触られるとパニックを起こすコタが、
あろうことか、
一番のライバルの下の子に、
泣き止ませるため、ビスコの箱を差し出すなんて…!!
その後もコタは、
下の子に「かーしーて」とビスコの箱を渡しては「ちょーおーだい」と返してもらったり(これは奪っていたか?)と、遊んであげていた。
下の子の「うきゃ♬」という笑い声が聞こえ、コタも「妹ちゃん、わらってるねー」と喜んでいた。
もちろん今までも、コタは下の子と遊ぶことはあった。
下の子のほっぺをぷにぷにしたり、
ハイハイで追いかけっこをしたりと。
でもそれは、『自分が』遊びたいからだった。
今回のはそれと大きく違う。
『泣き止ませるために』あやしてくれたのだ。
これは初めてのことだった。
いつの間にか、いいお兄ちゃんになっている…。
久しぶりに、心がほんわかする出来事でした。
でも、
やっぱり自分のビスコは心配なんだよね。
コタは遊びながらも、
「なかのおやつは、コタのだからね。かえったら、かえしてね」と、
何度かしっかり妹にクギを刺していた。