加配決定

2021-02-22

先日、保育園で『一日入園』があった。

保育園の遊戯室で1時間自由に遊び、その後年中さんに園内を案内してもらうという、保育園に慣れるためのイベントだ。

 

 

遊戯室での自由遊びでは、来年度入園予定の子供たち15名程が思い思いに遊んでいた。

 

1人でおもちゃで遊ぶ子。

お友達と遊ぶ子。

駆け回って遊ぶ子。

 

時間が経つにつれ、最初はお母さんにくっついていた子ども達も、そばにお母さんがいなくても平気になっていった。

お母さん方は、遊戯室の外で輪になってお喋りをしていた。

 

コタは、電車のおもちゃを手に、最後まで夫と私にぴったりくっついて遊んでいた。

 

そういう子は他にも数名いた。

 

 

 

 

 

一日入園の後、園長先生とお話をした。

 

 

 

誰もいなくなった遊戯室。

 

 

 

園長先生「加配について決まりました。コタ君には、1人付くことになりました」

 

私「…え?…1人って、1対1ってことですか?」

 

園長先生「はい。そうです」

 

私「コタに、ずっと1人、先生が付いてくれるってことですか?」

 

園長先生「はい」

 

私「…良かった。あ、ありがとうございます!」

 

 

 

予想外のことに驚いた。

 

 

以前園長先生から、加配の付き方がどのようになるか(1対1になるか、数名の園児に1人の先生になるか)は、まだ分からないと言われていた。

コタの他にも援助の必要な園児が数名いるとのことだった。

なので私は、手厚いフォローは難しいかもしれない、と考えていた。

 

でも。

 

1対1で見てもらえるんだ…!

 

私の表情は一気に緩み、

それを見た園長先生も笑っていた。

 

 

 

 

その後、

私からコタの対応についての要望を話した。

かなり色々要求してしまった。

 

以下は、その箇条書きである。

 

 

 

①コタが自分でやる気になるような声かけを。

 

コタは、何かを「させられる」ことを敏感に察知し、「させられる」ことへの拒否感が非常に強い。

声かけ作戦は時間はかかるが、本人が自らの意思で取り組むように気持ちを持っていくのが、結果的に一番早い。

無理矢理やらせてうまくいくことはほぼ無い。

 

 

②「みんなでうたうこと」を嫌がる。

 

家でも「おうた、いやなの」と言っている。

自分の好きな歌を家で好きなように歌うのは好き。

 

療育では、朝の会を私のお膝に座って見ることは出来る。

「(参加しないで)見るだけでいいよ」

「見るだけでいいから、ちゃんとお母ちゃん椅子に座っていようね」

「歌わなくてもいいんだよ。見ていようね」

等の声かけで、脱走しないでいられる。

 

また、コタの様子を見ながら要所要所で「座っていられてすごいね」「偉いね」などの声かけを続けると、本人も嬉しそう。

 

 

③スケジュールの見通しが立つ声かけと、スケジュールを目で見て分かるようにしてもらうことのお願い。

 

時計が少しずつ分かるようになってきたので、

「長い針が6のところに行ったらお片付けだよ」

「あと5分でお片付けだよ」

「あと1分だよ」と、気持ちの準備をさせてあげて欲しい。

 

絵で描かれた分かり易いスケジュール表があるとありがたい。

 

 

④感覚過敏・鈍麻が凸凹。

 

体を触られることに抵抗感あり。

手を引っ張る、無理矢理抱っこして連れて行く、などは止めて欲しい。

道路で手をつなぐことは出来る。

 

 

⑤パニックになったら、落ち着くまで隣で待って欲しい。

 

なだめるのは逆効果。

しかし、部屋に1人にされるのも余計にパニックになる。

隣で『ほがらかに無視』作戦が有効。

 

 

⑥(園にしかない)お気に入りのおもちゃを見つけることが出来れば、教室に入れると思う。

 

お気に入りのおもちゃへのこだわりが強いので、最初はそれが保育園に行く目的になると良い。

 

 

⑦加配の先生との信頼関係を第一に築きたい。

 

コタは、療育でお気に入りの先生の言うことはよく聞く。

 

加配の先生には、コタがまず自分でやってみて、出来ないことへのフォローをして欲しい。

コタは「自分、自分」の子。

過干渉は逆効果になる。

 

 

⑧併行通園はする予定でいるが、保育園に慣れるまではお休み。

その後もコタの様子で再開を決める。

 

(※詳しくは『併行通園か、保育園一本か⑤』をご覧ください…と言いたいところだが、これはまだ下書き段階で、投稿していない記事であった。

なるべく早く整理して、『併行通園か、保育園一本か』を完結させたいと思います)

 

 

⑨送り迎え・その他の対応は夫が主に行う。

 

私は子の世話に疲れ果てており、少し子どもと離れたいこと、

今後は仕事の比率を多くしていくこと、

夫が表のことを主に行うこと、

夫の方が上手くやれるだろうこと、を伝えた。

 

 

正直なところ、夫は私の精神状態が悪いから引き受けざるを得ないのだと思う。

 

私が色んなことを思うのと同様に、

夫もこんなはずじゃなかったと思っているだろうことは、日々の会話の端々で感じ取れる。

 

私の就職は一つの賭けだ。

 

事態が好転するといいな。

どういう家族の形になっても、各々が幸せならそれでいいや。

 

 

 

 

…あら。話が逸れてしまった。

 

 

 

 

とにかく、以上のように色々と要望を伝えた。

色々言いすぎたので、めんどくさい親認定されないか少し不安になった。

 

 

 

 

園長先生は私の話を聞いてこう言った。

 

 

「まずは、コタ君のペースでやってきましょう。

 

コタ君だけではなく、年少児は最初はそうするんです。

自分のやりたいことをやらせて、その中から保育園に楽しみを見つけていく。

秋ぐらいになると、周りの子のことが気になりだして、自然と「集団」になっていくんですよ。

 

今まで、夏まで給食を食べなかったり、部屋に入れなかった子もいました。

その子に応じて、廊下で給食を食べさせるなどの方法を取ってきました。

色んな子がいます。

心配しすぎないで下さい。

 

スケジュールの見通しを立てることも、今伺ったことを参考に、こちらで工夫してやっていこうと思います。

 

併行通園なら療育施設とも連携を取っていきますが、お母さん、何かあったら遠慮せず園に相談して下さいね」

 

と。

 

 

 

 

 

 

 

不安しかなかった保育園が、少し楽しみになってきた。

 

 

 

 

 

 

 

コタも、おもちゃで遊べて楽しかったみたいだ。

後半には電車好きのお友達と少し遊べたし、お片付けも出来た。

年中さんが園の中を手をつないで案内してくれるのは、予想通り一緒には行けなかったけれど。

無理にはさせなかった。

 

保育園に良い印象を持ってくれたかな。

 

 

 

 

 

コタは帰り際、「また、こようねー」と言っていた。