保育園に慣れるまで(4/6 保育園2日目)

2021-06-13
これは、この春保育園に入園した我が家の長男コタが保育園生活に慣れるまでの夫婦の闘いの記録である。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
2021年4月6日
 
 
 
 
 
 
本日は保育園2日目。
 
 
今日から1週間は『ならし保育』期間で、昼食後に降園となる。
 
 
 
 
 

朝、コタに「保育園に行くよ」とは言わず「遊びに行くよ」とだけ伝えた。
 
 
 
 
 
 
基本的に送迎担当は夫であるが、私の仕事が決まるまで迎えは私が行う。
 
 
時間的に送りも私が出来るのだが、いずれ就業した際には夫が送りに代わる。
 
 
そうなるとコタが混乱するかもしれない。
 
 
特に送りは難儀であろうことが予想される。
 
 
最初から「ととが送る」と統一したほうが良いのではないか、と考えた。
 
 
我が家の『リスクヘッジ』である。
 
 
一度使ってみたかった言葉。
 
 
そして、迎えは帰るだけだから、途中で担当が代わっても大丈夫だろうと考えた。
 
 
 
 
 
 
朝ご飯の後、コタは「いきたくない、妹ちゃんと、ととだけいって」と半べそで言った。
 

「遊びに行く」としか伝えていないが、なんかいつもと違う…と感づいたのだろうか。
 
 
 
 
 
 
夫と決めたことがある。
 
 
それは『ご褒美』を使うこと。
 
 
要は『モノで釣る』のだ。
 
 
こう言うと聞こえは悪いが、療育のOTの先生に「ご褒美作戦は悪いことじゃない」とアドバイスをされていた。
 
 
大切なのは、楽しい気持ちで保育園に行けること。
 
 
そして、保育園を頑張ったら嬉しいことがある、と思ってもらうこと。
 
 
 
 
 
 
私は作戦用に買ってきたトッポをお菓子棚から取り出した。
 
 
予想外のトッポの出現に目を輝かせるコタ。
 
 
そして食べ進めるにつれだんだん良くなるコタの機嫌。
 
 
 
 
 
 
残り2本になった頃、私は「それを両手に一本づつ持って、食べながら車に行こうか」と誘った。
 

上機嫌のコタは「そうするか」と言い、ポリポリ食べながら機嫌よく車へ乗り込んだ。
 
 
 
 
 

よし。
 
 
とりあえず車には乗せられた。
 
 
夫のポケットには念のためのあんぱんまんジュースを忍ばせてある。
 
 
保育園に着いて車から降りなかったときのためである。
 
 
これも我が家の『リスクヘッジ』である。
 
 
 
 
 
 
車は何も知らないコタを乗せて、滑るように家の前の坂を下っていく。
 
 
私はそれを見送りながら「コタがんばれー、夫がんばれー」と心の中で呟き、家に入り、どすんとソファーに座った。
 
 
日中ソファーに座るのなんて、いつ以来だろう。
 
 
 
 
 
 
送りを終えた夫が出勤用の車に乗り換えるため自宅に戻ってきた。
 
 
思ったよりも早い帰還だった。
 
 
 
 
 
 
私が「どうだった?泣いた?大変だった?」と矢継ぎ早に質問すると、夫は「いやー…」と曖昧な笑みを浮かべた。
 
 
 
 
 
 
まず、コタには車の中で「保育園に行く」と説明したらしい。
 

半べそをかいていたそうだが、園に着いたら保育園リュックを背負ってすんなり入ったという。
 

泣かなかったと。
 
 
「思いの外すんなりいった」と、夫も肩透かしを食らったようである。
 
 
そして「もしかしたらよく分かっていないのかもしれんな」と言った。
 
 
 
 
 
 
うん、きっとそうだろう。
 
 
コタは昨日の入園式のように園内で一緒に遊べると思っていたのではないか?
 
 
今頃ととがいないことに気付いて泣いているのではないか?
 
 
 
 
 
 
でもプロの先生たちがいる。
 
 
泣いても大丈夫だ。
 
 
 
 
 
 
夫に「ありがとう」と伝えると、夫は「ええよ」と爽やかな笑顔を私に向け、ひらりと車に飛び乗った。
 
 
オープンカーだったら様になったが、それは中古の軽自動車だった。
 
 
窓を手動で開けるタイプの。
 
 
リモコンキーじゃなくて手でかちゃりと鍵を開けるタイプの。
 
 
前のオーナーはおじいさん。
 
 
色んなにおいが染み込んでいる。
 
 
コタは「みずいろブーブ」と呼んでいる。
 
 
そんなことはどうでもいい。
 
 
とにかく、うまお君ありがとう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
さて。
 
 
12時30分の迎えは私の担当である。
 
 
 
 
 

保育園に行くと、コタは笑顔で遊んでいた。
 
 
加配の先生の話によると、給食もちゃんと食べ、お友達と一対一なら遊べたらしい。
 

もちろん、先生がしっかりフォローしてくれたからである。
 
 
先生は、給食を食べられたことを特に喜んでいた。
 
 
オムツ交換も最初は嫌がったが、お友達がやっている(トイレに行っている)のを見て、先生に交換してもらえたそう。
 

そして、最初は外遊びに興味を示さなかったが、しばらくしてからお外に出ることも出来た。
 

また、時々妹の未満児クラスに行って遊んだそう。
 
 
 
 
 
 
 
 

なんとまあ。
 
 
 
 
 
 
こんなに順調に行くものか。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
加配の先生にすっかり懐いていたし、帰り際には「もっとあそぶ!」としばらく園庭で遊んでいた。
 
 
 
 
 
 
 
 

なんとまあ…!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
車に乗ると、私はコタにすぐポッキーをあげた。
 
 
「保育園頑張ったね」と言って渡した。
 
 
『ご褒美』である。
 

更に、玄関には朝使わなかったあんぱんまんジュースを持ったもんきち(ぬいぐるみ)をスタンバイさせていた。
 
 
これも『ご褒美』。
 
 
大好きなもんきちが大好きなジュースを持って待っているというサプライズ。 
 
 
ポッキーを喜ばなかったときのためのダメ押しである。
 
 
いわゆる”risk hedge”。
 
 
あ、失礼。
 
 
『リスクヘッジ』である。
 
 
 
 
 

まあ、これはそこまで喜ばなかった。
 
 
でもしばらくこのサプライズはやり続けるつもりだ。
 
 
1回やったからもうサプライズじゃないか。
 
 
定番にしよう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
帰宅後は、私はコタの要求に全て答えた。
 
 
『いっぱい甘えさせることが、コタ君が明日頑張る活力になる』
 
 
これは療育のOTの先生に言われたことだ。
 
 
そして、『【保育園=楽しい】という印象』を心掛けて声かけをした。

 
 
 
 
 
 
 
 
このように順調な滑り出しを見せた保育園生活。
 
 
さあ、明日はどうなることやら。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
≪保育園に慣れるまで(4/7 保育園3日目)≫に続く。