ロープウェイ旅

2021-06-24
 
2021年4月11日(日曜日)晴れ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
先週コタが保育園を頑張ったので、コタが行きたいと言っていたロープウェイに家族で乗りに行った。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
コタがロープウェイを好きになったのはつい最近のことである。
 
 
 
3月に西穂高ロープウェイに乗りに行ったら、すっかりハマってしまったのだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
本日行くのは北八ヶ岳ロープウェイ。
 
 
 
 
 
 
 
 

目的は2つ。
 
 
 
1つ目はもちろん『ロープウェイに乗ること』。
 
 
 
2つ目は『散策でリフレッシュ』。
 
 
 
1つ目はコタ、2つ目は親(主に私)の楽しみである。
 
 
 
 
 
 
北八ヶ岳ロープウェイの山頂には散策路がある。
 
 
 
そこからは日本アルプスが見渡せる。
 
 
 
私はとにかく山を眺めたい。
 
 
 
そして自然の中をゆったり歩きたい。
 
 
 
はあ。待ち遠しい。
 
 
 
山好きの血がうずく。
 
 
 
 
 
 
コタは起床からお出かけまでずっと「ろーぷえい、ろーぷえい」と連呼していた。
 
 
 
 
 
 
それぞれの思いを乗せ、早朝、車は出発した。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
8:30頃、北八ヶ岳ロープウェイ山麓駅に着く。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
念願のロープウェイにさっそく大興奮のコタ。
 
 
 
「コタ、ろーぷえい、のる!」と私を引っ張り、夫を引っ張る。
 
 
 
私たちは慌てて車から荷物を出し、コタは大興奮のままロープウェイに乗り、大興奮のままロープウェイで山の上まで運ばれ、大興奮のままロープウェイから降りた。
 
 
 
 
 
 
早い時間に来たため、ロープウェイ山頂駅にはほとんど人がいなかった。
 
 
 
 
 
 
私は「ロープウェイ楽しかったねー」などとコタと話していたが、目の前に広がる景色に半分上の空だった。
 
 
 
今度は私がわくわくする番だ。
 
 
 
なんて青い空。
 
 
 
望む雄大な山々。
 
 
 
さあ、歩くぞ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
と思ったら、大ミスをしていた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
私は、コタに「この間と違うロープウェイに行くよ」としか伝えていなかった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
つまり「ロープウェイに乗る」ことしか伝えておらず、「散策する」ことを伝えていなかったのだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
案の定コタは山頂の散策を泣いて拒否した。
 
 
 
ロープウェイ山頂駅周辺には降り立つものの、私がちょっと散策路を進むと泣きながらロープウェイ山頂駅に戻ろうとする。
 
 
 
 
 
 
 
 

はああー。しまったー。
 
 
 
なぜ伝え忘れていたんだろう。
 
 
 
舞い上がっていたのか。
 
 
 
私のばかばかばかー。
 
 
 
 
 
 
説得するしかない。
 
 
 
 
 
 
「みんなであの丘の上まで歩こう」
 
 
 
「あそこまで行ったら、おやつ食べよう」
 
 
 
「お山見えるよ。綺麗だよ」
 
 
 
 
 
 
しかし一度「NO!」と思ったらコタの考えはそう簡単には変わらない。
 
 
 
コタは泣きながら私を引っ張り、なんとかロープウェイ山頂駅に連れ戻そうと必死だった。
 
 
 
 
 
 
見かねた夫が「ぶたこと妹ちゃん2人で行ってきな。コタと俺はロープウェイを見ながら待ってるよ」と言ってくれた。
 
 
 
下の子は私がベビーキャリアで背負っているのでそのまま連れて行ける。
 
 
 
別行動にするか。
 
 
 
私は夫の好意に甘えることにした。
 
 
 
私はコタに「コタはとととロープウェイ駅でジュースを飲みながら待っててね。お母ちゃんは、あそこまでお散歩したいから、行ってくるね」と少し先に見える丘を指さした。
 
 

それでもコタは「おかあちゃんといる。ととがおさんぽいって」と半べそのままだった。
 
 
 
コタは、『おかあちゃんとロープウェイ山頂駅にいたい』のだ。
 
 
 
 
 
 
困った。
 
 
 
でも可愛い。
 
 
 
そんなにお母ちゃんと一緒にいたいかあ…。
 
 
 
でも、困った。
 
 
 
フラれた夫は苦笑いをしている。
 
 
 
 
 
 
 
 

埒が明かないので、とりあえずみんなでいったんロープウェイ山頂駅に戻った。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
私は考えた。
 
 

山の中、歩きたいけど。
 
 
 
5分だけでいいのだけど。
 
 
 
この様子じゃ多分コタは無理そうだな。
 
 
 
今回は諦めて、全てコタのしたいようにさせようか。
 
 
 
 
 
 
そう考えていると、夫が「コタを見ているから、サッと行ってきていいよ」とこそっと言ってくれた。
 
 
 
一瞬、夫がミッションインポッシブルのトムクルーズに見える。
 
 
 
確かにここならロープウェイが見えるし、ジュースを飲んでいれば、コタがもし私がいないことに気が付いても大丈夫だろう。
 
 
 
「…いいの?」と聞くと、トムは「コタは俺がなんとかするから」と言った。
 
 
 
迷っている暇はない。
 
 
 
チャンスは今しかない。
 
 
 
 
 
 
私は「ありがとう」とトムに言い残し、コタがジュースを選んでいる間にササッと散策路へ向かった。
 
 
 
南アルプスと中央アルプスと御嶽山を眺めながら軽やかに歩く。
 
 
 
ああ。やっぱり気持ちいい。
 
 
 
そろそろ折り返し地点の丘に差し掛かる。
 
 
 
すると、遠くからコタの泣き声が聞こえた。
 
 
 
 
 
 
ロープウェイ山頂駅を振り返ると、泣きながら散策路をこちらに向かってやってくるコタの姿が小さく見えた。
 
 
 
隣で夫が手を振っている。
 
 
 
私は大きく手を振り返した。
 
 
 
コタは私に向かって走り出した。
 
 

私は「走ったら危ないよ!お母ちゃん、すぐそっち行くから!」と叫び、急いでコタの元へ戻った。
 
 
 
数分だけど歩けたしもう十分だ。
 
 
 
あとはロープウェイに乗って、山麓に戻って、コタの好きなところで遊ぼう。

 
 
 
 

コタは走ってきて半べそで私にしがみついた。
 
 

私は「ごめんねコタ。もう行かないよ。ロープウェイにもう一回乗って、下で遊ぼう」と言った。
 
 
 
 
 

するとコタは、すたすたと散策路を丘に向かって進んだ。
 
 
 
「あれ?コタ、行くの?」と私が聞くと、コタは「コタ、おやまいく」と答えた。
 
 
 
 
 
 
 


コタは何度か転びながら丘を登り、散策路を楽しそうに歩いた。
 
 

右手におもちゃ、左手にジュースを持って。
 
 
 
転んでも泣かなかった。
 
 
 
結局、1時間ほどみんなで散策をした。
 
 
 
 
 
 
 
 

一体、
 
 
いつ、
 
 
どのきっかけで、
 
 
コタは気持ちを切り替えたのだろう。
 
 
 
 
 
 
 
 

散策を終えロープウェイ山頂戻ってから、私は何度も「コタとお山歩けて楽しかったよ、ありがとう」と伝えた。
 
 

コタは「コタもたのしかったー」と言ってくれた。
 



 
 
 
 
 
 
 
 
ロープウェイに乗ってコタが満足し、
 
 
 
山を歩けて私が満足し、
 
 
 
山麓の湖畔で歩き回って下の子が満足し、
 
 
 
腸詰屋のソーセージとビールで夫が満足し、
 
 
 
家族みんなで遊んで家族みんなが満足した1日になった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
全て、コタの頑張りのおかげだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
【本日の教訓】
 
 
 
・今度ロープウェイ&散策に行く時は、前もって、山を歩くことをちゃんとコタに伝える。
 
 
 
・コタをジュースで釣ったり、知らぬ間に居なくなるようなことはしない。
 
 
 
・コタは切り替えが前より出来るようになったから、どんなに時間がかかってもその切り替えをゆっくり待つ。