精神科へ行く・3

2021-08-17

そして翌日。

 

 

私は社会福祉士さんと共に精神科へ行った。

 

 

 

 

 

 

最初にKさんの知り合いの担当看護師さんに事前カウンセリングを受け、その後診察室で先生の診察となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

診察の結果、

 

 

私は『うつ状態』と診断された。

 

 

 

 

 

 

それに加えて、

 

 

『不安感』『希死念慮』があるとのこと。

 

 

 

 

 

 

そして、『1年間休養すること。現時点での就職は危険』とのことだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うつ状態と言うことについては、もしかしたら軽いそういう状態ではあるのかなー…、とは思っていた。

 

 

 

 

でも『1年間の休養』は驚いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

先生は丁寧に説明してくれた。

 

 

 

 

 

 

「ぶたこさんはこの数年間、『やらないといけないこと』しかやっていない状態でした。

 

 

でも、人間の心は『やらないといけないこと』と『やりたいこと』のバランスで成り立っているんです。

 

 

『やりたいこと』とは『心地良いこと・落ち着いてリラックスしていること』も含まれます。

 

 

人間は『やりたいこと』をして、心と体のエネルギーを充電します。

 

 

そうして初めて、『やらないといけないこと』が出来るんです。

 

 

 

 

でも、ぶたこさんの今の心の電池は空っぽの状態です。

 

 

随分前からそうだったと思います。

 

 

その状態で『やらないといけないこと』をやり続けていたから、苦しくなってしまったんです。

 

 

 

 

ですから、エネルギーを充電する時間が必要なんです。

 

 

これには時間がかかります」

 

 

 

 

 

 

 

 

先生は診察室に社会福祉士さんを呼んだ。

 

 

そして先生は、「今ぶたこさんは保育園に下の子(1歳児)を『就業』するということで預けておられるが、『病気療養』のために預けるということに変更できないか」と社会福祉士さんに聞いた。

 

(※保育園の規則で、未満児を就業理由で預ける場合、入園から3ヵ月以内に就職する必要がある。無職のままだと3ヵ月以降(7月以降)は退園しなければならない)

 

 

先生は「家に赤ちゃんがずっといると療養が出来ないから、可能なら下の子を保育園に預けたままの方が良い」と言った。

 

 

 

 

社会福祉士さんは「1歳児さんは満員では無いのでおそらく出来ると思います」と答えた。

 

 

 

 

先生は、必要だったら診断書を書きます、と続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は、診察室のくるくる回る椅子に浅く腰掛けながら、先生と社会福祉士さんのやりとりをぼんやり眺めていた。

 

 

 

 

私ってそんなに深刻な状況なんだ、と思っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全然実感が無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

確かに、「死にたい」と思うこと自体普通ではないのだろうけど、

 

 

 

 

別に夜眠れないとか、ご飯が食べられないとか、起き上がれないとかの不調は無く、日常生活はちゃんと送れている。

 

 

 

 

たまに「死んだら楽なのに」とぼんやり思うだけだ。

 

 

 

 

それに、カウンセリングに通うとしても仕事に行きながら通う予定だった。

 

 

 

 

そもそも、仕事を始めれば自分が明るく前向きに変われる(戻る)だろうと思っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1年間の休養―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんとか半年くらいで終わらせられないかな。

 

 

 

 

仕事しなきゃ家計が不安だし。

 

 

 

 

でも、治すならしっかり治さなきゃ意味がない。

 

 

 

 

でも1年間は長い…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局この日は薬を2種類出してもらい、また1週間後に再診ということで終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自宅に帰って夫に「1年間仕事しちゃダメだって」と伝えると、

 

 

 

 

夫は「それがいい。そうしいや」と言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夫が理解してくれるのはありがたいのだけど、

 

 

 

 

本当に休んでいいのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私はこれから1年間、

 

 

 

 

どうすればいいんだ…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

≪つづく≫

 

 

 

 

 

【最近の私】

 

 

 

畑にいる時とブログを書いている時は気持ちが楽。