昨日の朝、ロープウェイくんと涙の別れをしたコタ。
私は、その後すぐにロープウェイくんをゴミ箱に突っ込むのはなんとなく気が引けたので、そのままの状態で居間に寝かせていた。
すると夕方、保育園から帰ってきたコタが私の元にてててっとやって来て、
「おかあちゃん、ろーぷえい、はやくてーぷでなおして」と言ってきた。
『あれ、まだ直してないの?何回もお願いしたのに。早くしてくれないと困るんだけど』というニュアンスの言い方だった。
…ん??
聞きたいことはいくつかあったが、コタは曇りなき眼でこちらを見据えているので、とりあえず居間に横たわるロープウェイくんをテープで直すことにした。
この悲しい姿だったロープウェイくんが、
大縫合手術を経て、
今ここに甦る。
「おかあちゃん、ありがとー!」と、さっそく仲良く遊ぶふたり。
コタは朝の感動的な別れのことはすっかり忘れているようで、
一方の私は「捨てなくて良かったぁ…」と胸をなで下ろしていた。
うっかり捨てていたら大癇癪が始まるところだ。
ああ恐ろしい…。
そしてひとつの教訓を得た。
これからはコタが「もういらない」と言った物でも必ず取っておこう、と。
彼の心は移ろいやすいから…。
以上、ロープウェイくんとコタの別れと再会物語でした―